プロローグ


更新日時:2008/11/27






ガタン・・・・ガタン・・・・。
馬車に揺られながら・・・・砂漠の景色がゆっくりと流れていきます・・・・。

「もう、七年も経つのね・・・・・・。」

少しだけ感傷的に、流れていく景色を眺めながら、呟きました・・・。

「流衣姉さん、どうしたの??」
「いえ、こうやって旅に出て、七年も経つのねって、時間が過ぎるのは早いなって思ったのよ、巳姫」

血の繋がりも無く、種族すら違うけれど、確かな絆があり、私「流衣」の妹である「巳姫」に笑顔で告げた。

「確かに、この七年・・・・色々な事・・・あったよね・・・・。」

私の言葉で思い出したかの様に、遠い目をしながら、呟く巳姫を見る。

「何年寄り臭い事言ってんだよ・・・・。」

私の対面に座る、一見すると冷徹に見え、真紅の髪とアメジストの瞳を持った男性が、呆れながら突っ込んできます。

「ふふふ、年寄り臭いは、あんまりじゃない?確かに、今のはちょっと、年寄り臭いけど・・・・。」

その男性の隣に座り、銀髪のロングストレートで、彼と同じアメジストの瞳を持つ女性が、半分笑いながら、彼に突っ込みました。

「二人とも酷いです・・・。私まだ17なのに、年寄り臭いは・・・あんまりです・・・。」
私は、ちょっと泣きそうになりながら、ちょっとだけ、むっ!っとしながら反論しました。

「「ごめん、ごめん。」」

二人一緒に笑いながら、いつもの調子で謝って来ます。
この二人は、いつもこうだ。人をからかうのが好きで、ちょくちょく私「で」遊ぶ。
それでも、本当に誰かを傷つける事は言わないから、そこだけは、いいのかもしれないけれど・・・・。
毎度毎度からかわれる方としては、たまったものじゃない。
私が二人に更に反論しようとしたら、横から巳姫が・・・・。

「はいはい、二人の兄弟仲が以上に良いのは分かったから、これ以上姉さんをからかわないでくださいねぇ〜。」

巳姫が笑いながら、二人を嗜める。
良い妹に恵まれたって思ったのも束の間・・・・・。

「唯でさえ、年齢以上に落ち着いてて、年寄り臭いんですから、本当の事を言っちゃだめですょ〜。」



「「「・・・・・・・・・・・・・」」」
場の空気が一気に静まり返りました・・・・。

「あれ?私何か変な事言いました・・・・?」

この、天然娘は気付かずに聞いてきます。

「変な事って言うか・・・ねぇ〜?兄さん・・・・」
「あ、あぁ・・・俺等、そこまで言ってないしなぁ〜・・・・。」

「・・・・・・あっ!!姉さんっ!違うよ?!そう言う意味じゃ無くて・・・・。」

流石にカチンッっと来ました・・・。

「どう言う意味なのかしら??」

自分でも分かる位、眩しい笑顔で巳姫を問い詰めます♪。

「ちょっと・・・・待って・・・ね・・姉さん・・・ちょっと、冷静に・・ね?」

焦った顔で必死にどうしようか悩んでる巳姫を追い詰めながら・・。

「大丈夫よ。私は、とても冷静よ・・・・?」

そんな事言いながら、私の相棒であるマンドリンを取り出す。

「ちょ!?そんなもの持ち出して、どうするの?!って言うか、全然冷静じゃないじゃない!!!」

「さぁ〜なんの事かしら??巳姫・・お仕置きの時間よ?」

私は、相棒(マンドリン)を大きく持ち上げて・・・・。
そのまま振り下ろしてみた。

「何で、私だけなのよぉ〜〜〜〜〜〜〜!!!!」

馬車の中に、がつんっっという音と巳姫の絶叫が馬車の中に木霊した。




これは、私達の、楽しくて、幸せで、ちょっと苦しいこともある、そんな旅路のお話・・・・。
幻想組曲、開幕です。




作者(ギルル)コメント:
とりあえず初挑戦の小説です。
うまく書けるか分からないけど、できるだけがんばる事にしますw
それでは、第一話でお会いしましょうw