第3話


更新日時:2008/12/14




「「「「・・・・・・ぁ」」」」

見惚れた、同じ女性で在りながら「彼女」に私も、観月ちゃんも、巳姫も、見惚れました。
あの、無頓着な、祁琉さんでさえ、見惚れて声も出ないみたいです。
日の光に照らされ、風に靡く、金色の髪。
湖を思わせ、一切の不純物を、取り除けばこう成るんじゃ無いかと言うほどの、マリンブルーの瞳。
それでいて、端正な顔立ちに、均整の取れたプロポーション、出る所は出て、引っ込む所は引っ込んだ、身体。
細い腕に、すらりと伸びた、脚線美と言う感じの足。
同じ女性として、嫉妬とか、羨望を通り越して、憧れすら、抱きそうになる美しい女性が祁琉さんの言葉で現れました・・・・。


「私と同じエルフも居るようだが・・・・・・人間族よ、エルフの村、フィリアに何の用だ?!」
そんな事を「彼女」は聞いてきました。
「あ・・・・・・えっと・・・・。」
私は彼女の雰囲気、容姿、スタイルに見惚れ、上手く言葉を発することができませんでした。
「あっ・・・・うぅ・・・・。」
巳姫は「彼女」の雰囲気に少し怖がっているみたいです。
「あの、私達は、カスタネアさんに用があって・・・。」
観月ちゃんがそう言いました。

「カスタネア様に・・・だと?人族よ、貴様等、分と言う物を弁えろ!」

「彼女」の端正な顔が、怒りを顕に言ってきます。
「人族無勢が、カスタネア様に謁見するなど、何を考えている?!」
彼女の綺麗な瞳が吊り上り、徐々に雰囲気が険悪になっていきます。
「ちょっ、ちょっと、まって、私達はカスタネアさんに呼ばれてフィリアに・・・・ねっ、ねぇ?兄さん!?」
「・・・・・・・・・・・・」
観月ちゃんの言葉に祁琉さんは、無反応です。
と、言うより・・・・・・。

「祁琉にぃ、見惚れすぎ・・・・。」

「・・・・はっ?!」
巳姫の呆れた様な突っ込みに、祁琉さんは漸く帰って来たみたいです・・・・。
「祁琉さん・・・。」
「兄さん・・・。」
「祁琉にぃ・・・・。」
私達は、呆れながら、冷ややかな目で祁琉さんをみました。

「あっ・・・・いやっ・・・・すまん・・・・余りにも彼女が美しくて・・・・つい。」

祁琉さんにしては、珍しく狼狽えながら答えます。

「なっ?!人間、いきなり何を?!」

顔を赤くしながら、「彼女」は反論しました。
「反応・・・・可愛ぃ・・・・。」
観月ちゃんが、ボソっと呟きます。
うん、観月ちゃんの言葉に、私も同意です。
例え、彼女が弓を構えて居たとしても・・・・。


「そこまでになさい。」

静かな、そして、威厳のある声が響きました。
「弓を納めるのじゃ、レヴィエス。彼等は、観月が言ったように、わらわが呼んだのじゃ。」
カスタネアさんの言葉が響きます。
「申し訳ありませんでした。」
彼女、「レヴィエス」さんは、カスタネアさんの言葉に跪きます。
「村に近づく者がいたもので、カスタネア様に何か、あってはと思いまして。」
「構まわぬ、今は仕方の無いこと、しかし、貴女の態度で、彼等が、気分を害したのは事実じゃ。」
その言葉でレヴィエスさんは私達に向き直りました。
「申し訳ありませんでした。カスタネア様の客人とは知らず、無礼な事を・・・・。」
彼女が、謝罪を述べてきました。
「あぁ。構わんさ、カスタネアを守る為だというなら、構わん、な?皆。」
祁琉さんの言葉に私達は頷きます。

「それで、わざわざ俺達を呼んだ理由と、彼女は?」
祁琉さんがカスタネアさんに聞きます。
「祁琉達を呼んだ理由は、屋敷で話すが・・・、彼女はレヴィエス・A・ハーネス、歳は17と若いが、この村じゃ一番の実力者で私の側近でもある。」
「以後お見知りおきを・・・・。」
カスタネアさんの紹介に続き、レヴィエスさんが挨拶をします。
「俺は、神代 祁琉、歳は17、そこに居る、銀髪の女とは兄弟になる、俺達四人は、エリンを旅している。」
「私は、神代 観月、祁琉兄さんの妹で、歳は16です。」
「私は、流衣と言います、祁琉さんや観月ちゃんとは一緒に旅する仲間で、歳は17で、巳姫とは姉妹になります。」
「わっ私は、巳姫って言います。流衣姉さんの妹で歳は14です。」
私達はそれぞれ、巳姫は緊張しながら、レヴィエスさんに自己紹介をしました。

「それでは、早速屋敷にいこうか、疲れているなら、話は明日でも構わないが・・・・、どうする?」
「別に、今日で構わんさ、兎に角屋敷に早く行こう、突っ立てると暑くてかなわん。」
「分かった、それではまずは屋敷に・・・・、レヴィ、皆の宿の手配をしなさい、終わったら屋敷に来るように・・・。」
「わかりました、それでは、また後ほど、うかがいます。」
そう言って、レヴィエスさんは去っていきました。







それから、私達は、屋敷に案内され、メイドさんにリビングへ通されました。
「ふぅ・・・やっと、落ち着いたって感じがするな。」
「そうだねぇ〜・・・村に入ろうとしたら、射られたもんね。」
祁琉さんの言葉に、観月ちゃんが、いいました。
「むっ?レヴィのやつ、そんな事をしたのか??」
カスタネアさんの言葉に、私達は、頷きました。
「あぁ、いきなりだったよ・・・、それほど、切羽詰まった状況なのか?それとも・・・・・?」
「流石、祁琉だな・・・・気付いたか・・・。」
「それでは、やはり・・・・。」
「あぁ、想像通りあの子は多種族嫌いだ、理由は、私の口からは言えんが、同じ種族以外は認めないのがあの子の中では基本なのじゃ。」
「大体、想像つくからいいさ、それに、聞くとしたら彼女の口からだしな。」
カスタネアさんの言ってる事は私も感じていたので、黙って聞いてました。
「祁琉にぃも、観月ねぇも、流衣姉さんも、皆良い人なのに・・・。」
巳姫が悲しそうにいいました。

「兎に角、彼女の事に関しては、今はいいさ、気にはなるがな・・・・。」
「兄さん、珍しく入れ込んでるね?♪」
「むっ?そうか・・・・?・・・・・・そうかもしれんな、何かあの子の事は、気になるのは事実だな。」
「それってぇ〜・・・・恋なんじゃないの??♪」
観月ちゃんがおどけて言います。
「なるほど、彼女に一目惚れしたわけですね?♪」

「わぁ〜〜♪異種間恋愛〜〜♪」



観月ちゃんも、私も、巳姫も、その気になりながら、からかいます。
「あのなぁ〜・・・なんでもかんでもそっちに結びつけるな・・・・。」
祁琉さんが呆れながら突っ込んできます。
「だが、祁琉なら、あの子の心も溶かせるかも、しれんな。」
「カスタネアまで・・・・・。」
カスタネアさんの言葉に祁琉さんが、げんなりしながら、言いました。


「兎に角、それはいい、俺達を呼び出したのは何故かそろそろ聞かせてくれ。」
「ごまかしたね・・・。」
「巳姫うるさいっ!」
スコンッと言う音と共に巳姫のおでこに、お菓子があたりました。
「いたっ・・・・・うぅ〜〜。」
「まじめな話するから、少し黙ってろ。カスタネア頼む。」
「今は、まだゆっくりしていてくれ、話すのはレヴィがこちらに着いてからじゃ。」
カスタネアさんの言葉に私達は気を緩めようとしたところ・・・・。

「遅くなってすみません、宿の手配済みました!」

「ご苦労だったな、レヴィ、そこに座りなさい。」
カスタネアさんの言葉にレヴィエスさんは、カスタネアさんの隣に座りました。
「丁度って事か・・・・、それで、どんな内容だ?」
祁琉さんがカスタネアさんに向かって言いました。
「・・・・・フィリアの近くに、遺跡があるのは、知っておるな?」
「ロンガ砂漠遺跡だったっけ?」
観月ちゃんが言います。
「あぁ、そうだ、実はここ一ヶ月、その遺跡の調査に向かった村の戦士達が、必ず戻らないという事態に陥っておる。」
この一ヶ月で、そんな事が、起きてるなんて思いもよらなかったので、私も、巳姫も、観月ちゃんもびっくりしています。

「なるほど、それで、俺達ってわけか・・・・・。」

唯一人、驚かなかった祁琉さんが言いました。
「先週も、村の精鋭4人が向かったのだが、誰も戻らん、故に、祁琉達に捜査、自体の終息を頼みたい。」
確かに、緊迫した状況って言うのは分かりますけど、私達も不安です。

「あぁ、それならかま「反対です!」・・・・。」

祁琉さんの言葉をさえぎって、レヴィエスさんが、言葉を挟んできます。

「人間族ごときに何ができると言うのです?!大体この様な男に何が、できますか?!カスタネア様も何を考えてるんです?!」

レヴィエスさんが激昂しながら、言ってきます。
「彼等は、村の精鋭より、実力は上だ、もう彼等に頼る以外方法は無いのじゃ・・・。」
「だからといってっ!?、それなら、私が一人で行ったほうがどれだけましか・・・・。」
「レヴィエス・・・・少し落ち着け、いくらお前でも一人では無理なのじゃ。」
「ですが・・・・・!!」
レヴィエスさんは取り合おうとはしませんでした。

「それなら、やってみるか?」

「・・・・・・・・え?」
レヴィエスさんだけじゃなく、私達も、カスタネアさんも祁琉さんを見ました。
「実際に、やり合えば早いだろ?それで俺が勝ったら、少なくても、あんた一人じゃ無理って事だ。」
「祁琉、お前も何を?!」
祁琉さんの提案に、カスタネアさんが止め様とします。
「いいでしょう、相手をしてもらいます、私が勝ったら、今すぐに村を出て行ってもらいます。」
もう、止めようが無いみたいです。
「それなら、表にでな。」







「準備はいいか??」
祁琉さんがレヴィエスさんに聞きます。
「確認するまでも無い事です。」
レヴィエスさんが答えました。
「カスタネア、合図を頼む。」
祁琉さんが言いました。
「流衣姉さん、観月姉さん、二人を止めなくていいの?」
巳姫が、不安そうに聞いてきます。
正直私も、どうすればいいのか、分かりません。
「これで、いいの、話して分かり合えないなら、お互いにぶつかり合う事で、見える事もあるから・・・・。って言っても、兄さんの受け売りだけどね♪」
観月ちゃんがテヘッ♪って感じで、舌を出しながら可愛く言います。

「伝えておきますが・・・私は貴方が嫌いです、何故か貴方を見ると、イラつきます、ですから、大嫌いです!」

「やれやれ・・・・嫌われたものだな・・・何もしてないはずだが・・・。」

レヴィエスさんの言葉に私達三人は、唖然としました・・・・。
その中で、カスタネアさんだけが、平然と、試合の開始を宣言します。
「それでは、二人とも・・・・・・・・。」
カスタネアさんの言葉に、祁琉さんも、気を取り直して、二人とも構えます。
「・・・・・・・・始め!!!!」
カスタネアさんの言葉に、二人が動き出します。

「「・・・・・シッ。」」

まずは、レヴィエスさんが、二発同時射ちで祁琉さんをいろうとします。
祁琉さんは涼しい顔で、走りながら、矢を避けたり、時には剣で弾いたりしながら距離を縮めます。
「ッ。」
彼女は距離を縮められないように、寄ってくる祁琉さんから、距離を取り、連続で矢を撃っています。
「どうした?一発もあたらんぞ?口だけか?レヴィ。」
祁琉さんが挑発しながら、向かっていきます。

「言わせておけばッ!」

レヴィエスさんが剥きになりながら、連続で休み無く矢が祁琉さんに向かって飛んでいきます。
ギュンッギュンッギュンッ、音を立てながら飛んでいく矢を事も無げに避けながら、祁琉さんが小声で詠唱を開始します。

「我求む、我が身に眠りし凍て付くマナよ、我が前に立ちふさがりし者に、凍て付く弾丸を撃ち出さん。」
「そろそろ、こちらから攻めるぞ?アイスボルトッ!」


祁琉さんの言葉と共に、シャキーンッという音と一緒に、アイスボルトが彼女に向かって飛んで行きます。
「クッ・・・・その程度ッ。」
ギリギリのところでアイスボルトを避け、体制を立て直そうとしたところに・・・・。

「うらっ!」

祁琉さんの剣が襲い掛かります。

「舐めないでください!」

言葉と共に、腰から短剣を取り出して、剣を受け止めます。
ギッギッギッギッギッ・・・・。

「短剣で受け止めるとはお見事!って言いたい所だが・・・・甘いな。」

その言葉と共に、祁琉さんは、彼女を蹴り飛ばしました。
「ぐっ・・・・・。」
くぐもった声を出しながら、後ろに吹き飛びました。
「シッ・・・・。」
その隙に、彼女に向かって短剣を縦に二本投げつけます。

「ッ。」

彼女は、短剣で一本を弾き飛ばしたところで、二本目に気付き、首を横にずらすことで、なんとか避けました。

チャキッ・・・・・。

その間に、距離をつめて彼女の首筋に、祁琉さんは剣を突き立てました。
「俺の勝ち・・・だな?」
その言葉にレヴィエスさんは・・・・悔しそうに。

「・・・参りました。」

その言葉を発したのです。

「貴方の様な人間に負けるとは・・・・。」

本当に悔しそうです。

「祁琉にぃの勝ちだね・・・・。」
最初はどうなるかわかりませんでしたが、祁琉さんが勝ちました。
「これで、文句は無いな?レヴィ、この度の一件、祁琉達に任せる事にする。」
「はい。カスタネア様が彼等を頼った理由が分かりました。」
「納得してくれて良かった、できれば君みたいな可愛い子と、二度とやり合いたくは無いからね。」
そう笑顔で言いながら、祁琉さんは彼女に手を差し伸べます。

「なっ?!そう言うことを簡単に言うから、人間も貴方も嫌いなんです!!!」

彼女はそう言いながら、祁琉さんの手を払いのけ、走り去りました。
「やっぱり、可愛い・・・・・。」

観月ちゃんの、言葉が場に響き渡りました・・・・。




その後、「私、レヴィさんと、お話したいから、追いかけるね♪」
「直接、宿に来いよ、巳姫。」
「は〜〜い♪」
その言葉と共に巳姫が走り出しました。

「それで、明日にでも直ぐに向かえばいいのか?カスタネア。」
祁琉さんがカスタネアさんに聞きます。
「いや。今、遺跡は、土の中にある、次に現れるのは一週間後の、嵐の後なのじゃ。それまでの間、村で準備して、現れ次第向かってほしい。」
「了解。」
「分かりました。」
「は〜い♪」
私達はそれぞれ、返事をして、解散となりました・・・・・。








作者コメント:
新キャラ!!!!美人!美少女!
はてさて・・・彼女の登場でこからどうなるやら・・ね?w
兎に角三話は、これにて・・・・・w
次は四話!!!!!


挿絵コメント:
確かに回を増すごとに長くはなっていますが、同時にギルルさんの腕が上がってますね^^
今回はネタ的なところはポップな挿絵に、マジなところはマジ(?)な挿絵にしました。
チビキャラ難し・・・!
女も見惚れるような美少女!?ンなもん描けるかああああああ!!!
・・・取り乱してすみません、では、次は来年4話で・・・。




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